消費者態度指数とは|調査内容や推移などを詳しく解説
消費者態度指数とは、暮らし向き等(将来の生活に対する見通し)について日本の世帯にアンケートを実施し、指数化した経済指標です。
消費者態度指数の推移により、世帯の将来の生活に対する意識がわかります。
本記事では日本の消費者態度指数について、調査内容やよくある質問などを解説します。
(なお、米国においても消費者態度指数が調査されており、ミシガン大学消費者態度指数が知られています)
消費者態度指数とは
消費者態度指数の調査内容や公表日等について解説します。
- ・目的と調査内容
- ・公表日
目的と調査内容
消費者態度指数とは、今後の暮らし向きの見通しに関するアンケート調査の結果を指数化した指標です。
消費動向調査の1項目を構成しており、内閣府の所管です。
調査の目的は、消費者の意識や物価の見通しを把握して、景気動向判断の基礎資料を得ることとされています。
また、指数の算出方法は、以下の4項目について5段階の選択式(良くなる・やや良くなる・変わらない・やや悪くなる・悪くなる)でアンケートをとり、一定の計算式を使って指数化しています。
- ・暮らし向き
- ・収入の増え方
- ・雇用環境
- ・耐久消費財の買い時判断
なお、消費動向調査では、株式や不動産の将来価値に関する意識調査も実施されていますが、これらは消費者態度指数とは別の集計項目です。
公表日
消費者態度指数は、当月調査の結果が当月末から翌月初めにかけて発表され、速報性の高さが特徴です。
具体的な日程は景気統計公表予定一覧に事前に公表されます。
消費者態度指数のマーケットへの影響
消費者態度指数の特徴やマーケットへの影響は、以下の通りです。
- ・指数の数値と意味
- ・為替レートへの影響
指数の数値と意味
消費者態度指数の数値に関して、アンケート回答者全員が全項目で最高評価をつけた場合、理論的最大値は100ポイントになります。
全員が全項目で最低評価をつけた場合はゼロ、全員が「変わらない」の場合は50です。
数字が大きければ大きいほど、アンケート回答者は暮らし向きや収入の増え方などについて楽観的であることを意味します。
出典:内閣府・消費動向調査
上のグラフは2008年以降の消費者態度指数の推移を示しており、青い帯部分は景気後退期です。
この期間の推移を見ると、最大値は45程度で最低は20台前半です。
グラフ内、右側の青い帯は新型コロナウイルスによる景気後退期を示します。
この青帯の前後で、消費者態度指数の平均値が5程度低下しました。
新型コロナウイルスのパンデミックを経て、悲観的な傾向が強まったといえます。
グラフよりも過去にさかのぼると、1980年代のバブル期に50を超える水準を記録したものの、それ以降は恒常的に50を下回っています。
将来に対して悲観的な見方をしている人が、楽観的な人よりも多い状態が続いていることがわかります。
為替レートへの影響
出典:TradingView
外国為替市場は日本の消費者態度指数発表に対して、特に大きく反応しない傾向にあります。
上は米ドル/円の1時間足チャートで、赤矢印部分で消費者態度指数が発表されました(2025年5月1日)。
発表前後でトレンドに変化は見られず、発表時の急変動もありません。
消費者態度指数は指標トレードの材料としては不向きと判断でき、日本経済全体の趨勢を判断するための資料として利用可能です。
一方、米国のミシガン大学消費者態度指数には、大きく反応するケースも見られます。
消費者態度指数の推移
出典:内閣府・消費動向調査
2008年以降の消費者態度指数の推移を再掲します。
最も左の景気後退期は2008年のリーマンショックを中心とする期間、右側は新型コロナウイルスの蔓延を受けた景気後退期です。
この2つの景気後退期では、消費者態度指数が大きく下落しました。
その一方、2012年の景気後退期では消費者態度指数の低下を確認できません。
景気後退は必ずしも消費者態度指数の低下につながらないことがわかります。
消費者態度指数に関するQ&A
消費者態度指数に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・消費者態度指数はどこで確認できますか?
- ・消費者態度指数はいつ発表されますか?
- ・消費者態度指数が高いとどうなりますか?
消費者態度指数はどこで確認できますか?
消費者態度指数は内閣府の消費動向調査のページで確認できます。
消費者態度指数だけでなく、内訳の4項目の推移についても掲載されています。
内訳の4項目は、暮らし向き、収入の増え方、雇用環境、耐久消費財の買い時判断です。
消費者態度指数はいつ発表されますか?
消費者態度指数は、当月調査の結果が当月末から翌月初めにかけて発表されるのが一般的です。
発表時刻は14時が多く、具体的な日程は景気統計公表予定一覧で確認可能です。
消費者態度指数が高いとどうなりますか?
消費者態度指数が高いということは、アンケート回答者が自分自身の暮らし向きや収入の増え方について肯定的な評価をしていることを意味します。
前向きな回答が増えるほど指数は高くなり、このようなマインドの改善は、将来的な個人消費の拡大につながる可能性があります。
【まとめ】消費者態度指数とは|調査内容や推移などを詳しく解説
消費者態度指数は内閣府所管の経済指標で、暮らし向き等について日本の世帯にアンケートを実施し、その結果を指数化したものです。
バブル期に50を超えましたが、それ以降は恒常的に50を下回っています。
新型コロナウイルスのパンデミックを経て指数が低下しており、悲観的な見方が広がっている可能性があります。
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